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薬剤耐性菌対策の本質

薬剤耐性(Antimicrobial resistance; AMR)対策アクションプランが世に出て、多くの学会やマスコミが取り上げて下さいました。そのため国民の命に係わる耐性菌の脅威が我々の身近に感じられるようになってきたと思われます。

この対策の本質は耐性菌を減らす、もしくは出現を遅らせることです。決して抗菌薬の削減が目的ではなく適正使用が目的ですし、どの抗菌薬が良いとか悪いとかの問題でもなく、それらを適正に使えるかどうかの問題です。

我が国はβ-ラクタム薬に耐性を獲得したMRSAに、まだβ-ラクタム薬が効くといった目先の治療を優先してしまいました。その結果、世界トップクラスのMRSA蔓延国になってしまいました。同様にペニシリン耐性肺炎球菌に経口セフェム薬を使うような講演が多く行われた結果、ペニシリン・セフェム耐性肺炎球菌も、世界トップクラスの蔓延になってしまいました。また、経口キノロン剤や第三世代経口セフェムの使用量増加と共にキノロン・第三世代経口セフェム耐性大腸菌が増加し続けています。

このAMR対策アクションプランの本質を理解するとともに、アメリカともヨーロッパとも異なる我が国独自の特徴があるので、それをしっかり把握した対策が必要です。